子ども食堂は地域の子供たちのため、地域の社会福祉に貢献できる方法の一つです。
資金や法令といった立ち上げるためのハードルも比較的低く、努力次第で誰でも子ども食堂は立ち上げることができます。
今のこの瞬間にも「私も子ども食堂を開設したい」と考えている人もいるはずです。
ですが、その一歩先、「じゃあ実際どうやって開設したらいいの?」という所で悩む人が多いようです。
せっかく子どもたちのために何かしてあげたい、という気持ちがあるのに、立ち上げ方が分からないというだけで開設を諦めてしまうのはもったいないですね。
今回はそんな方のために子ども食堂の立ち上げ方を解説します。
子供食堂を立ち上げるのに必要な準備
実際に子ども食堂を立ち上げるまでに、必ずやっておくことが3つあります。
- 具体的なイメージを考える
- 場所・資金・食材の確保
- ネットワークの確保
一つずつ確認してみましょう。
3具体的なイメージを考える
まず、一番重要なのが「どんな子ども食堂を作りたいか」です。
地域の様子や自分の資金の状況などから、あなたが作りたい、作れると思った子供食堂のイメージをより具体的にイメージしましょう。
絵や文字に起こすのもいいと思います。
ある程度イメージ出来たらそこに具体的な条件を加味していきます。
- どこで行うか
- どのくらいの頻度でやるのか
- 資金や場所、食材はどう確保するのか
次にステップに行ったときに迷わないよう、ここでできる限り具体的に計画を練りましょう。
もし、子ども食堂の具体的なイメージが掴めない、と言う方は実際に子ども食堂を見に行ってみましょう。
また、ネットでも立ち上げのハンドブックや方法を解説しているサイトがたくさんあります。
これらを参考にまねしてみるのも一つの手です。
子ども食堂ネットワーク立ちあげハンドブック
http://kodomoshokudou-network.com/start.html
場所・資金・食材の確保
具体的なイメージを作ったら次は場所や食材、資金の確保です。
子ども食堂の継続が困難になる理由で一番多いのが「資金難」です。
利益を第一としない子ども食堂は、資金難に陥りやすく、ほとんどの食堂がぎりぎりの経営を続けています。
中には長期間赤字が続き、経営をあきらめてしまう事業者も少なくありません。
それを避けるためにはできる限り場所代などのコストを抑え、資金や食材を安く手に入れる方法をできるだけ多く確保しておきましょう。
特に場所は借りると費用が高額になりがちなので、自治体と相談して公民館を利用するなどできる限りコストがかからない場所を探してみてください。
ネットワークの確保
子ども食堂を一人で運営するのは不可能です。
どんな小さい規模の子供食堂でも必ず協力者が必要になります。
また、地域の人たち、自治体の担当者の協力も必要です。
色々な場所に行き、人々に声をかけて協力を仰ぎ、子ども食堂を立ち上げて継続させるためのネットワークを確保しましょう。
ボランティアは知人や友人が一番ですが、地域の人たちに声をかけることでボランティアを申し出てくれる人が現れることもあります。
子ども食堂の研修会や研究会と言った集まりに顔を出して仲間を見つけるのも一つの手です。
相談をする
人や場所など、物理的な問題にめどが付いたら実際立ち上げにかかわる場所や人たちのもとに相談に行きましょう。
子ども食堂立ち上げには物理的な準備の問題だけではなく、食品を扱うことによる条例や法律などの制限があります。
また、制限だけではなく、子ども食堂立ち上げに利用できる補助金や補助制度があります。資金が不足しがちな子ども食堂の経営において、これらの制度は最大限活用しなくてはいけません。
食品に関する法律、福祉の補助に関する情報は当然その道のプロに聞きに行くのが一番です。
自治体担当者
ほとんどの各都道府県では子ども食堂などのボランティア、福祉事業の立ち上げに対して補助金や補助制度を設けています。
例:大分市
http://www.city.oita.oita.jp/o107/kodomoshokudou.html
ネットで調べるのも一つですが、直接自治体の福祉担当者に話を聞きに行って、色々と相談してみましょう。
顔を覚えてもらうことで、立ち上げ後も色々と相談に乗ってもらいやすくなります。
保健所の担当者
子ども食堂で一番大事なのは「衛生管理」です。
多くの子供たちが安心して食事を楽しめる場にするためにも必ず保健所に行き、衛生管理について相談しましょう。
都道府県や子ども食堂の開催方法によっては「食品衛生法営業許可」が必要になることもあります。
これらのルールや条例は都道府県で全く異なります。
例えば地域によっては、提供する食品などの条件次第で許可を取りやすい「露店営業許可」と言う方法で開設できます。
また、岡山県は条件によりますが、営業許可そのものが不要になるケースもあります。
http://www.pref.okayama.jp/page/472178.html
このように地域で全く対応が変わるため、子ども食堂を立ち上げたい自治体の保健所で直接聞いた方がいいでしょう。
ただ、必要だから保健所で届け出を出す、という考えではなく「食事を作って出す」以上、届け出や許可が必要なかったとしても衛生管理への意識や準備は徹底してください。
許可の有無にかかわらず、子ども食堂を立ち上げると決めたら必ず保健所へ足を運んでください。
立ち上げ手順
立ち上げ準備ができたら以下の手順で開催に向けて行動を移しましょう。
- ルールを決める
- 告知する
- 開催準備を行う
- プレオープン
- 開催
- 反省会
ルールを決める
一番最初に決めた理想の子ども食堂案を元により具体的な開催、利用に関するルールを決めていきましょう。
- l 開催日・開催頻度
- l 規模(受け入れ人数)
- l メニュー
- l 衛生管理
- l アレルギーへの対応
- l 料金・支払い方
- l その他参加ルール
大きな部分だけきちんと決めておけば細かい部分は数回開催した後でも修正可能です。
準備に力を入れすぎると開催が遠くなりますので、大事な部分だけしっかり決めて動き出しましょう。
告知する
開催日を決めたらそのことを子供や保護者、地域の人たちに知ってもらわなければいけません。
- l ホームページやSNS、ブログ
- l 学校などでチラシの配布
- l 自治体PTA
- l 口コミ
- l 新聞やラジオ
特に、SNSや口コミは費用が掛からず、個人の努力でいくらでも広告効果を上げられる便利な方法です。
開催準備をする
開催日を決め、告知をしたら開催日に合わせて確保した場所で準備を行います。
- l 場所
- l 食材
- l 器具
- l 保険の加入
- l ボランティア
開催日に滞りなく開催できるようきちんと準備しておきましょう。
開催の度に問題点や改善点がいくつも見えてくるはずです。
次回の開催がより良い物になるよう、常に改善を続けていきましょう。
まとめ
今回の開設はあくまでわかりやすく簡易的にまとめたものです。
実際は各項目ごとにさらに細かい手順や決まりがあり、実際はもっとやることがあります。
それらすべてを自分ひとりの力で成し遂げるのは非常に厳しいです。
もしあなたが子ども食堂を立ち上げたいと思ったら、必ず地域の人たちをはじめ、各都道府県自治体の福祉担当者や協議会、保健所の人たちと相談しましょう。
みんなで協力して、しっかりと準備をしたうえで子ども食堂を立ち上げ、長く子供たちが安心して過ごせる場所を作ってあげてください。
コメント