「あなたのおうちの周りには子ども食堂がありますか?」そう言われて即答できる人は何人くらいいるでしょうか。
また子ども食堂と聞いて何をイメージしますか?「子ども食堂」の単語から想像する、なんとなくのイメージとテレビやネットから流れてくる面白おかしい噂ばかりが耳に入ってきてしまいませんか。
すると自然に子ども食堂を批判的に見てしまう人も出てきます。
ここではそんな「なんとなく批判的に受け止めてしまう」誤解をできる限り解いていきたいと思います。
子ども食堂は誤解を受けやすい
2012年に八百屋の店主近藤博子さんが立ち上げた子ども食堂。ご飯も一緒に食べられて「ありがとう」を言い合えるコミュニティづくりを目指しました。メディアに取り上げられるとその名前は一気に広まっていきました。
こども食堂支援センター・むすびえ理事長の湯浅氏が書いた記事を読むと、子ども食堂を批判する人や誤解する人の背景には2つの問題があるようです。
一つは「子ども食堂に正式な定義がないこと」です。
名付け親の近藤さんは一人でゴハンを食べることを防ぐために子ども食堂を立ち上げました。そのいわゆる孤食を防ぐ対象者は子供だけではなく大人ももちろん入っています。
安心できる居場所を与えてくれる場所という意味で「子ども食堂」と名付けられました。
でも子ども食堂の「コレ!」という定義はないため各団体でそれぞれがスタイルを確立していきます。
誰でも食べに来てOKな食堂と貧困家庭の子どもがメインの食堂などがあります。
メディアに取り上げられた団体の食堂が貧困層を対象に取り組んでいれば、私たちの子ども食堂へのイメージは「ゴハンが満足に食べられない貧しい家庭の子どもが来る場所なんだな」となるわけです。
もう一つの誤解を生む理由は2013年に子供の貧困対策推進法ができたことも少なからず関係しているようです。子供の貧困対策推進法とは、親から子どもへの「貧困の連鎖」を断ち切るために成立した法律です。その中で日本では現在夕食を食べられない子どもが6人に1人いるという衝撃の数値が明らかにもなりました。
その結果「貧困家庭」ばかりが世間でも注目されるようになり、イメージはますます強固なものになっていくのです。
ただしこのイメージがすべて間違っているということではありません。
実際に子ども食堂の正式な定義はないですし、これらの報道から影響を受けて子ども食堂を立ち上げたボランティア団体も多いです。
方向性は一緒でも、目的が統一されていないとこのように誤解を生むことが多くなるんだと思います。
子ども食堂を反対する人偏見の目で見る人は確かにいる
テレビの中で紹介されていた「子ども食堂に対して反対意見を持っている人」にはこんな意見がありました。
- 周辺の治安が悪くならないか
- そもそも親がやるべきことをなぜ他人が面倒ミなければいけないのか
残念ですが、このように子ども食堂に対して批判的に思っている人は少なくありません。
ここではこの2つの意見について掘り下げてみます。
子ども食堂が出来ても治安は悪くならない
1点めの「食堂周辺の治安が悪くなるのでは?」ということですが、これは基本的には考えられません。
別記事で詳しく書きますが、そもそも子ども食堂を開催する日にちは普段働いている人たちがほとんどのボランティア活動なので月に1回から多くて4回のところが多いです。
不良のたまり場になることを心配している人もいますが、そんな月数回の開催をめがけてわざわざ子どもたちが集まるとは思えません。それにボランティアを含め分別のつく大人が大勢いるので子どものやりたい放題…のような心配事はないでしょう。
「甘えすぎ!」…ではありません
もう一つは
「なんで親じゃない他人が孤食の子どもやご飯が出ない家庭の子供の面倒をみなければいけないの?そんなの各家庭の責任で甘え過ぎでは?」というなかなかキビシイ意見です。
これは少し難しいおはなしですが、簡単に言ってしまえば「あなたが親を選べなかったようにその子どもだって親を選ぶことができない」、だからこそ手を差し伸べる大人だって必要だということです。
もしも反対している人が同じ立場だったらどうでしょう。「甘え過ぎでは?」なんて言えるのでしょうか。それともその人は同じように孤食が多かった経験のある人なのでしょうか。
それならなおさらその子どもたちには元気になれる居場所を与えてほしいと思わないでしょうか。
子ども食堂に反対している理由は自分が同じ立場だったか、いま親という立場の人で「自分は好きなものも我慢して一生懸命子育てを頑張っているのにそれを誰かに任せて楽をしてるんじゃないのか?そんなの不公平だ。」という不満から来るものかもしれません。
まとめ
でも親がいてもご飯を毎日一人ぼっちでたべている子も、給食しか1日の食事が出来ない子どもがいるのも確かです。好きでそうしている子は一人もいないんです。
見た目からは見破れないそんな居場所を求めている「子ども」がいるのは確実なんです。それを見ても手を差し伸べないで反対ばかりする大人はきっといないですよね。
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