子ども食堂開設には様々な手続きや準備が必要です。
その中でも、特に忘れてはいけないものが、「衛生管理」と「保険の加入」です。
他の手続きや準備は最悪迷惑をかけるだけで済みますが、衛生管理と保険は怠ると取り返しのつかない事態を招く可能性があります。
もちろん、そうなると子ども食堂の継続も不可能です。
そんな事態が起きないよう、この2つについては必ずしっかりと学んでおきましょう。
今回は子ども食堂運営において最重要要素の一つ、「保険」について解説します。
保険の重要性
ここで言う保険とは「子ども食堂開催時に起きたトラブルを補償する保険」の事です。
お子さんを預かり、食品を提供する子ども食堂では常に食中毒や子供のけがといったリスクが存在します。
そして万が一食中毒が起きた際、もしくは子供が大けがを負った時、その医療費や賠償は高額になるケースが多いのです。
営利目的ではない子ども食堂では、万が一のトラブルに対処できる資金はありません。
例えば極端な例ですが、子供同士のケンカで壊れた数万円程度の眼鏡一つ弁償するのも厳しいでしょう。
そんな時、わずかな保険料を支払い、保険に加入していれば、金額の大小にかかわらず補償を受けられるのです。
- 子どものけがによるリスク(利用時のケガの補償)
- 衛生管理上のリスク(アレルギーや食中毒の際の補償)
- 利用者、保護者に安心してもらうため
以上の理由から、どんな事態が起きても絶対に弁済できるだけの資産がある人以外は、保険への加入は必須と言えるでしょう。
保険の補償範囲
子ども食堂運営時に加入できる保険で補償される範囲は保険によって異なりますが、主に参加者の「食中毒」と「けがや器物の破損」に対する補償です。
この2つが入っていれば、ほとんどのトラブルをカバーできるでしょう。
逆に言えばこの2つが入っていない保険は加入しても意味がありません。
実は「子ども食堂専用の保険」と言うものはあまりなく、子ども食堂用の保険の多くはイベント用の「ボランティア保険」または「行事用保険」に分類されます。
子ども食堂を含め、ボランティア活動や行事などのイベント時に1日、もしくは数日だけ加入する単発の保険です。
このボランティア保険には大概「食中毒に対する補償」と「けがや器物破損に対する補償」が含まれています。(傷害補償、とひとくくりにされる場合もあります)
ですが、保険によっては子ども食堂専用の保険ではないため、子ども食堂には必要のない余計な保証が付いていて保険料が高額になったり、子ども食堂運営に向かない条件が設定されていたりすることがあります。
「子ども食堂用専用」と言う保険ではなく、「ボランティア保険」などの広域的な意味合いの保険に入る際は、必ず保険の条件や補償範囲を確認してください。
もちろん地域に子ども食堂専用の保険があればそこに加入するのがベターです。
保険の種類
子ども食堂運営時に加入できる保険には様々な種類があります。
民間の保険会社が提供するイベント保険や、地域の福祉協議会が提供するボランティア保険、また、自治体が独自に提供している子ども食堂専用の保険もあります。
料金も、補償内容も条件もバラバラです。
当日参加型行事保険
http://www.tokyo-fk.com/volunteer/document/G3-gyoji2018.pdf
保険料1日1名あたり30円~58円
全国社会福祉協議会・ボランティア行事用保険
https://www.fukushihoken.co.jp/fukushi/front/council/volunteer_events.html
保険料1日1名あたり28円~359円
※宿泊イベントにも対応
また都道府県によっては自治体で格安の保険を用意しているところもあります。
さかい子ども食堂ネットワーク
http://www.sakai-syakyo.net/KSN/html/network.html
こちらは堺市の福祉協議会と保険会社の三井住友海上が提携し、ボランティア活動の際に格安の保険料で損害を補償してくれるものです。
子ども食堂専用保険と言っていいでしょう。
子ども食堂の保険に関するネットワークや仕組みはまだ十分とは呼べず、各自治体や開催形態、各保険会社によって保険の取り扱いや補償内容は異なります。
そのため、子供食堂を開設する際の保険については、必ず地域の社会福祉協議会や自治体に相談してみてください。
子ども食堂まとめ
冒頭でもお話ししましたが、食品を扱い、お子さんを預かる子供食堂では何が起こるかわかりません。
どんなに気を付けていても、防ぎきれない食中毒やけがのリスクが常についてまわります。
もし保険未加入の場合、アクシデントひとつで子供食堂の運営が困難になるばかりか、被害者へ満足の行く賠償を行えなくなる可能性もあります。
予算ギリギリの運営をしている子ども食堂ではわずかな保険料さえ惜しいケースがあるかもしれません。
ですが、営利目的でないからこそ万が一に備え、必ず保険には入っておきましょう。
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